インクルーシブかつ効果のあるプログラムの必要性に対する認識を向上させる
SRIとLisa Healthは今年3月8日の国際女性デーに、仕事を持つ更年期女性の課題とニーズに関する重要な知見を明らかにした研究について発表しました。国際女性の日(国際女性デー)でも取り上げられたこの功績は、職場におけるインクルーシブ(包摂性)、その中でも特に見過ごされる傾向が高い、更年期が女性のキャリアとウェルビーイングに及ぼす影響に光をあてています。Lisa Healthは2020年にSRIからスピンアウトした企業で、女性の課題に関するテクノロジーソリューションを構築しています。
Lisa Healthの共同創業者でチーフサイエンティフィックオフィサー、かつSRIのシニア研究員でもあるMassimiliano de Zambotti博士は次のように述べています。「職場における望ましい対応、例えば公式な更年期に関するポリシーや管理職研修、デジタルソリューションなどと、その実践の間には大きなギャップが存在します。これは、更年期女性の就労をよりよく支援するにあたり、意識向上と構造改革が急務であることを示しています。これらの課題に対応することは、ジェンダー平等の促進につながるとともに、従業員全体のウェルビーイングにも寄与するのです」
「雇用する側は、この就労層が直面する特有の課題を認識するようになってきており、課題に対応すべく積極的な対策を講じようとしています」- Fiona Baker
この調査では、全米で40歳から65歳の働く女性351人を対象に横断調査を実施しました。これは、職場環境において更年期女性が経験したことを深く掘り下げており、現在の職場で更年期女性が直面している現状を赤裸々に描き出した調査結果が得られました。症状の重症度合や介護に関する課題、仕事への影響、認識されている能力、実施におけるギャップなど、調査結果ではいくつかの見解が紹介されています。
• 74%が中程度から重度の症状を経験しており、日々の仕事生活に影響が及んでいます。
• 54%が仕事の責任に加え、子どももしくは高齢の両親のケアとのバランスを考えなければなりません。
• 51%が自身の症状のため、能力以下に見られてしまうという懸念を抱いています。
• 更年期の症状は疲労感が高くなることが多く、効率が低下してしまいます。
• 更年期の症状と、退職したいという意図が増すことには関連性が存在します。
Lisa Healthの共同創業者兼CEOであるAnn Garnierは次のように述べています。「SRIとLisa Healthが共同で実施したこの意義深い調査は、影響力の大きい変化をもたらす牽引力となるパワーを秘めた共同研究です。科学的な調査と女性の健康アドボカシー(advocacy)を結びつけることで、更年期の女性によりインクルーシブかつ支援の行き届いた職場環境を提供できる基礎を築ければと思っています」
調査を実施したチームには、女性の健康や更年期、産業心理学、生理学、産婦人科学の専門家が含まれています。
SRIのHuman Sleep ResearchラボのヘッドであるFiona Bakerは、次のように述べています。「女性のキャリア進捗と仕事に対する全体的な満足感を得るには、仕事に携わる更年期女性を後押しすることが不可欠です。雇用主は更年期の従業員がこの時期特有の課題に直面していることを認識しつつあり、これらに対処しようと積極的に取り組むようになっています。私たちは働く女性にとって、意義ある変化をもたらせることを大変うれしく思っています。皆で協力すれば、より明るく、よりインクルーシブな未来を作り上げることができるのです」