
SRIのクリーンルームは、新しいデバイスやプロトタイプ開発から、専門家との共同作業、小規模の生産までもクライアントに提供
テクノロジーにあふれた現代社会で、半導体は重要な役割を担っています。半導体は携帯電話やコンピューターなどの電子機器の心臓部であり、情報を受信して処理し、保存しています。半導体の製造工程は厳格な制御が必要で、予想外の分子レベルのものがほんのわずか混入するだけでも、半導体としての特性が変化してチップの性能が変わる可能性があります。
SRIのPrincipal Research Scientistで、マイクロテクノロジーグループのシニアマネージャーであるChristopher Chuaは、「これらのシステムは、化学的な不純物や物理的な不純物に対して非常に敏感です。私たちは非常に小さなものを作ろうとしており、塵が1つでも予期しない場所に落ちたら、回路全体が機能しなくなるかもしれません。水から空気に至るまで全てを制御する必要があります」と述べています。
SRIは半導体微細加工用のクリーンルーム施設を1カ所に集約しており、研究者たちはここで新しい半導体デバイスやその製造工程の開発、プロトタイプの作成、そして新技術の商業生産移行まで手掛けることができます。この施設はSRIの研究者が使用していますが、クライアントも製品開発や小規模の生産に利用できます。例をあげると、原子層堆積法(atomic layer deposition)や塩素系ICP(chlorine-based ICP)、ウルトラワイドバンドギャップのエピタキシャル成長(ultra-wide bandgap epitaxial growth)、ドープされたアモルファスシリコンのプラズマCVD、減圧CVD、エキシマレーザーを使用してドーパント活性化を浅くすること等ができ、ITOや超伝導素材を物理的に成膜することもできます。
多様なチッププロセスに対応できる、先進的なクリーンルーム
「大半のクリーンルームのサービスでは、薄膜蒸着やウエハー薄片化など、単一の微細加工工程しか提供していませんが、ここパロアルトでは、微細加工工程の全域を網羅するプロセス開発をカスタム化して提供します。そのため、多種多様なノウハウと装置を1カ所に集めているのです。私たちはクライアントと協力して、何が必要とされているかを把握したうえで新しい特殊な工程を共同開発し、”プロトタイプ開発”と”ラボから工場への移行”の両方を支援します」とChuaは述べています。
ほとんどの半導体は多くの工程を経て製造されており、ひとつひとつの工程が次の工程に影響を及ぼします。問題が発生すると、微細加工工程の一つだけを調整しても不十分です。SRIの研究者は、デバイスの物理的側面や素材、そしてその能力を総合的にとらえ、多くの工程全体を最適化します。
「パロアルトでは、微細加工工程の全域を網羅するプロセス開発をカスタム化して提供します。そのため、多種多様な装置を1カ所に集めているのです」―Christopher Chua
「半導体デバイスやその製造工程を開発する場合は、工程や素材を効率的に調整する体制が社内に備わっています。前例のないことに挑戦するときは、カスタム化した装置を作ることもよくあります」とChuaは述べています。
薄膜トランジスタとマイクロLEDのリーディングプロバイダー
SRIのクリーンルーム施設における中核機能のひとつが、アモルファスシリコンとポリシリコン両方の薄膜トランジスタデバイスのプロトタイプを製造できることです。この技術は、X線画像装置やノートパソコン用ディスプレイのバックプレーン、フレキシブルエレクトロニクスなどの用途で使用されています。SRIの施設は、北米でこのようなデバイスを試作できる数少ない場所のひとつです。
マイクロLEDは、それぞれが赤血球ほどの大きさの小さなLEDを数百万個も使ってディスプレイの画素にする新たなテクノロジーです。この技術は現在のディスプレイよりも数段性能が高いものですが、未解決の技術的な課題がまだあります。大量のマイクロLEDの中から、不具合のある画素を修繕する方法などです。SRIの共同研究者たちは現在、SRIのクリーンルームを利用して、このようなディスプレイの製造における課題に取り組んでいます。
加えて、この施設は、ガラスインターポーザ(glass interposers)や小型チップレットのピック&プレース、高密度の相互接続、レーザーダイオード、アバランシェ光検出器、大面積エレクトロニクス、CMOSイメージャーなど半導体パッケージング技術の開発にも活用されています。
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