SRIが率いるチーム、重要な5Gネットワークの安全確保に貢献

Lock Icon of Cyber Security Digital Data, Digital Data Network Protection, Global Network 5g High-Speed Internet Connection and Big Data Analysis Background.
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新しいテクノロジーは未来のネットワークの包括的な保護に役立つ可能性がある


5Gネットワークの登場は、遠隔医療の促進や自動運転自動車の接続、ファクトリーオートメーションの改良、ドローンの遠隔操作の実現など、ほぼすべての業界に潜在する可能性を大きく広げています。その反面、この果てしなく繋がっていく未来には、セキュリティに関する数々の潜在的な脅威を新たにもたらします。5Gの秘めたる力をすべて発揮するには、このようなネットワークのセキュリティを確保する必要があります。

現在、SRIが率いる研究チームは、5Gネットワークの重要な運用を保護する技術を開発しています。Security-Enhanced Radio Access Network (SE-RAN、セキュリティ強化無線アクセスネットワーク)と名付けられたこのプロジェクトは、5Gの事業者が脅威を検知・分析し、ネットワークを管理しているクラウドベースのソフトウェアを保護できるようにします。

SRIのインターネットセキュリティグループのプログラムディレクター兼リーダーで、SE-RANプロジェクトの主任研究員を務めるPhillip Porrasは、「ネットワークのトラフィックを見たり、守ったりする効果的な方法が存在しないにもかかわらず、ミッションに不可欠なテクノロジーをワイヤレスネットワーク上に置くケースが増えています。SE-RANではこのようなミッションに欠かせない環境、ひいてはネットワーク全体で使用する5Gネットワークを保護し、また、増加している敵対的な攻撃から通信を守るサービスを開発しています。」と述べています。

このチームには、オハイオ州立大学とSRIのスピンアウト企業であるAccuKnoxの研究者も在籍していおり、2022年には国立科学財団(NSF)のコンバージェンス・アクセラレータプログラム(National Science Foundation Convergence Accelerator社会的な影響力のあるソリューションを対象とした基礎研究や発見のスピードを加速させるプログラム)の資金援助を受けてSE-RANを設計・構築しました。そして昨年、SE-RANのプロトタイプを今後2年でサスティナブル市場向けの製品へと開発を進めるため、このプログラムから500万ドルの追加資金を受給しています。

ネットワークセキュリティに対する包括的なアプローチ

SE-RANは3つの新しいテクノロジーを1つのセキュリティソリューションに統合しています。1つ目のテクノロジーであるMobiflow Auditorは、5Gの事業者がネットワーク内にある各デバイスのセキュリティ状態を追跡できることを可能にします。これは2つ目のテクノロジーである5G-Spectorと連動し、機械学習を活用して各デバイスに侵入してくる脅威をリアルタイムで検出・分析します。3つ目のテクノロジーである5G-KubeArmorはソフトウェアレベルの保護を提供しており、5G事業者がネットワークの運用に使用しているアプリケーションにセキュリティポリシーを設定し、これを実践することをサポートします。これら3つの技術を組み合わせることで、守られていないネットワークを包括的に保護することができます。

特筆すべきは、SE-RANがOpen RAN(O-RAN: Open Radio Access Network)と互換性があることです。O-RANは5Gインフラのオープン規格であり、大手通信事業者の独自技術に依存することなく、誰でも5G技術を開発することを可能にします。つまり、O-RAN標準を採用してネットワークを構築すれば、だれでもSE-RANを使用してネットワークをセキュアにすることができます。

SRIのベンチャーズグループのVice PresidentであるTodd Stavishは、「SE-RANという画期的なセキュリティソリューションで、重要な産業で安全に5Gを導入できるようになります。私たちは、このようなテクノロジーの市場投入の橋渡しにつながる開発を手掛けられることを嬉しく思っています。」と述べています。

5Gセキュリティソリューションの拡大に向けたコラボレーション

SE-RAN開発の次段階として、このチームはオープンソースコミュニティと商用製品の双方に向けて、進化した開発内容を統合する予定です。チームはすでに主要な5GのO-RAN関係者と関係を構築しており、The Linux Foundationの5G Super Blueprint イニシアチブなどいくつかのオープンソースプロジェクトでは、すでにSE RANの要素が統合されています。加えて、このチームは5G関連の新興企業をサポートする5G Open Innovation Lab (5Gオープンイノベーションラボ)とも協力しており、5Gのセキュリティソリューションを必要としている民間企業とも積極的にコラボレーションを展開しています。

AccuKnoxのNat Natraj最高経営責任者(CEO)は、「SE-RANのイノベーションは世界中の産業や政府、そして5Gのエンドユーザーのモバイルネットワーク保護に革命を起こすことを約束するものです。我々は、5Gや次世代のネットワークを保護するために、熱意をもってこのような最先端のテクノロジーと戦略を新しく立ち上げる体制を整えることに取り組んでいます。ますますエスカレートするグローバルな脅威に対して、デジタルの世界における保護を強化する必要性はかつてないほど高まっているのです。」と述べています。


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