SRIバイオサイエンス部門初の女性プレジデントは、科学的な難しい課題に取り組むには情熱と努力が不可欠であると語る
Kathlynn Brownは2023年2月に、SRIのバイオサイエンス部門のプレジデントに着任しました。このブログでは、自身のキャリアパスや実績、そしてSRIの「素晴らしいところ」を語っています。
SRIでの私の旅路が始まったのは2014年です。私は学際的な研究のチャンスを広げ、橋渡し研究ができる環境で働くことを目標にしてSRIに入社しました。2016年にシェナンドーバレー(Shenandoah Valley)でチームを率いる職責を担っていたときは、所属チームに磨きをかけてプログラムを一から構築しています。ドラッグデリバリー担当のバイスプレジデントになったのは2022年で、SRI内の各部門を横断して精密医療と体内への薬剤の標的送達の取り組みをサポートすることになりました。
私がまずバイオサイエンス、特に「がん」の領域に取り組んだのは、この分野を身近に感じていたからです。この分野で働く人は皆、情熱に溢れています。私がこの研究グループで最も好きな点は、全員がビジョンに共感し、それを信じていることです。この分野にかかわる多くの人、特にSRIの人たちは、エキサイティングかつ創造的で、生物医学の課題に対する解決策を生み出すために協力しようと心から思っており、そして楽しんでいます。自らの仕事が実際に人々に影響を与えるのを見ることができるのは、決して色あせることのない経験です。
私が誇りに思う功績のひとつは、本当に素晴らしい人間である子供たちの他には、シェナンドーバレーで築き上げたものです。難しい科学的な課題に取り組む際に、全員が力を合わせて必要な仕事に取り組んできたことを、私は大いに誇らしく思っています。そして、私だけではなく、お互いに対しても信じられないほど協力し合っています。このシェナンドーバレーという地でプレシジョンメディシン(precision medicine)に関する能力やプログラムを構築できることをとてもうれしく思っています。
ここでは、細胞内に運ぶ積荷である治療薬の開発や、SRIのプラットフォームテクノロジーを駆使して治療薬を適切な細胞に適切なタイミングで届けることなど、それぞれの細胞に合わせた方法で高分子を細胞に送り込む研究に取り組んでいます。SRIのFOX Three分子誘導細胞標的化システム(MGS)™は異なる種類の薬剤や分子を特定の細胞に運ぶことができます。FOX Threeはほぼ全種類の細胞に応用できるため、多種多様な病気と対峙できる興味深いプログラムに取り組む機会を与えてくれるのです。
FOX Threeプラットフォームの開発経験をもとに、私たちは中枢神経系に送達させる輸送システムのDiaCyt™と、強力ながん免疫療法であるTALLを開発しています。SRIの素晴らしいバイオサイエンス・チームの一員として、Fox ThreeとTALL、ならびにDiaCytの各プラットフォームを開発できたことを私は幸せに思います。
バイオサイエンス部門のプレジデントとして、特にプレシジョンメディシン、AIと生物学、免疫療法の各分野で、SRIの卓越性と専門性の基盤を継承できることをうれしく思っています。私たちは素晴らしい研究を実施しており、特にこの時代にSRIに在籍できることはまたとないチャンスだと感じています。
SRIの素晴らしいところは、「人々の生活に影響を与える、良きサイエンスを実行する」というミッションです。SRIの研究者は、社会にインパクトを与えるようなエキサイティングかつクールな仕事に取り組みたいと思っています。自身の仕事が、現実の人々や現実の健康に関する課題に貢献しているということを忘れない事が大切だと思います。